構造型情報処理基盤の確立を目指して

概要

近年、深層ニューラルネットワーク(DNN)を中心に急速に発展し続けている人工知能 (AI)。しかし、広義のAIコンピューティングには、DNNだけでなく、従来型機械学習、データマイニング、ビッグデータ処理など幅広い分野が含まれます。これらの領域を横断的・網羅的にカバーし、莫大に増加するデータを効率的に活用するためには、それを支える従来の延長線上にはない新しいハードウェアの開発が不可欠です。そこで、本研究ユニットでは、現在よりもエネルギー効率やコスト効率が格段に高く、自律性や安全性にも優れた次世代のAIコンピューティングを実現するハードウェアの研究開発基盤の確立を目指します。また、日本からより多くの人材がこの分野に参画し,産学連携の中で活躍できる場の創出を目指します。

研究目標

ユニット代表者は,計算処理中に処理内容に合わせて、回路構成を柔軟に切り替えることができる「リコンフィギュラブル・ハードウェア」の研究開発に長年従事し、世界をリードする研究成果を挙げてきました。このアーキテクチャは、常に最適なハードウェア構成で計算処理を行えるため、従来に比べて、処理速度が速くかつエネルギー効率が非常に高いのが特徴です。また、大規模なデータ処理構造をそのまま活かして並列処理を行うことができるので、AIコンピューティング分野と非常に相性がよいと考えています。この考え方を「構造型情報処理」とと呼び,体系化・基盤化する取り組みを進めています。 代表者は,2018年度から、このアーキテクチャ技術を基盤として、科研費・基盤Sや、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)及び科学技術振興機構(JST)のプロジェクトで、AIコンピューティングに関する研究開発プロジェクトを推進しています。各プロジェクトが対象とするAIコンピューティングの研究分野はそれぞれ異なりますが、本研究ユニットでは、全研究分野を包括する研究開発基盤の構築を進めています。将来的にはAIコンピューティング分野における日本の中心的な研究組織へと発展させることを目指しています。

研究テーマ別詳細リンク

紹介動画

参考資料